同窓会会報 Vol.40より


東北・北海道地区ブロック交流会報告

放送大学北海道同窓会
会長 中根恵美子


 3月5日土曜日 10:00AMから東北大学構内にある放送大学宮城学習センターで開催されました。Zoomと面談のハイブリット形式で開催された交流会は宮城野会役員が周到に準備し、スマートな運営を実現しました。
 佐々木宮城野会会長・宮城学習センター所長・同窓会連合会会長の挨拶があり、続いて放送大学本部から菊川副学長がZoomで「放送大学の近況と教学Vision2027」についての説明をしました。
1, 放送大学教育システムの変遷と学生の推移では昭和60(1985)年に授業を開始、学生受入をはじめたが放送は関東の一部のみで、その他はビデオ学習センターを活用することが続いた。平成10(1998)年にCS放送による全国放送が始まり、平成23(2011)年にはBSデジタル放送になり平成27(2015)年からはオンライン授業の配信が始まるなど、教育システムが加速度的に進歩してきている。大学院も修士課程が平成14(2002)年、博士課程が平成26(2014)年に設置されている。
 学生数はここ3年ほど入学者が増えている。令和3(2021)年度は60歳以上、40代50代の順番の入学者だったが、令和3(2021)年2学期は30代以下の入学者が半数を超えた。
 2, 「教学ビジョン2027」に見る放送大学の新たな動きでは、岩永学長就任後令和7(2027)年までの教育上の方針は基本的理念、4つの社会的使命、4つのマスタープラン、12のアクションプランで構成され、基本理念には「一人一人に最適な学びを放送大学から」で9万人近い様々な学生のために目指していきたい目標である。この背景には4つの社会的使命があり、(1)生涯学習支援(2)リカレント教育(3)学位取得への道(4)高等教育のイノベーションがある。
 マスタープラン・12のアクションプランは(2)リカレント教育や時代の要請にこたえるカリキュラム体系の再構築など充実してきている大学院教育など放送大学らしい特徴を生かした研究大学として社会貢献していく当を述べた。菊川副学長は終わりに「生涯学習の理念が広く認識されはじめたのは、昭和40(1965)(年フランスのポール・ラングランによりレポートが提出されてからでその後昭和47(1972)年フォールレポート、平成11(1999)年ドロールレポートが出され『知ることを学ぶ』『為すことを学ぶ』『共に生きる事を学ぶ』『人間として生きることを学ぶ』が強調されました。放送大での学びは、単に『知ることを学ぶ』ではなく学習専科―を中心に、同窓会やサークル活動を通して『為すことを学ぶ』『共に生きる事を学ぶ』『人間として生きることを学ぶ』場であり、多様な年代、多様な目的で構成される放送大学ならではの活動の姿と考える」と結びました。
 その後、11時15分からは各同窓会の意見交換をし、東北・北海道地区の各同窓会から学生や同窓生が地域貢献や、興味深い活動をしている様子が報告され、特に宮城野会の役員二郷さんの活動に感銘を受けました。朝早くから毎日、児童のために交通整理をしてから仕事へ向かいます。また、趣味も多彩で写真や手芸、折り紙、天文読み聞かせボランティアなど数えたらきりがありません。私たちもおり紙で作ったヒマワリなどお土産に戴いてきました。また写真は宮城野会の写真部となり永年の記録も二郷さんに頼むとすっと出てくるようなで宮城野会の貴重な役員のうちの1人です。
 宮城野会ではこの交流会に合わせサークル活動の作品展示を開催し、休憩時間に参加同窓会が見学できるようにと人員を配備し、作品の説明にあたらせていました。第2回放送大学同窓会連合会東北北海道ブロック交流会の時も写真や手芸、絵やサークル活動の様子などを展示してくださったことを思い出し、いつもおもてなしの心を忘れない同窓会と感銘を受けました。
昼食後13時25分から前放送大学客員教授・東北大学名誉教授の松永雄一教授が「放送大学と同窓会」についての記念講演をしました。
 演題は「弱いきずなの強さ」―社会ネットワーク・インフラとしての同窓会―
 同窓会とはどういう組織なのか、どういう点について慶應義塾大学の「三田会」と東北大学の「萩友会」を例にとり同窓会組織について語りました。最後に東日本大震災の時に同窓会の「弱い絆の強さ」を実感。教授は都立高校出身でこの高校の同窓会の会員ですが東京他在住の同窓会員が素早い対応をして支援をはじめ、また有志を募り仙台に東北支部を立ち上げました。いざというとき人々を動員できる基盤(社会ネットワーク・インフラ)が整備された事を披露し、「学習センターとその同窓会がそうしたネットワーク・インフラとして機能し続けて行くことを願っている」と述べました。
 続いて15時から修士論文発表がありテーマは『ヴェルディのオペラにおけるアウトサイダーの考察』で我妻健太氏の発表で講評は高橋センター長で行われました。我妻氏の熱気あふれる発表に会場はヴェルディの苦悩に引き込まれ、時折我妻さんの力強く美しいテナーが入ると会場の高揚はなお一層高まり、ヴェルディに対して目からうろこが落ち、すっかりファンになってしまいました。我妻氏はプロのオペラ歌手でもあり、市職員でもあります。今後も研究を重ね博士課程に進んでいるとのことです。今後も私たちに研究成果を披露して頂きたいと思います。我妻氏! ファイト!!
 続いて15時35分から元仙台市富澤遺跡保存館館長の金森安孝先生が、『片平町から知る仙臺の歴史』について講演しました。東北大学片平キャンパス(放送大学宮城学習センター所在地)周辺の地形をベースにした歴史を紐解く探訪ともいえる興味深い内容でした。
 夜の懇親会は市内のホテルで開催され、国立劇場にも出演する佐々木会長の筝曲も披露されました。和気あいあいと親交を深め、ノンアルコールでの会食も参考になりました。

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